増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査
各論
2.生化学検査
ノート 骨粗鬆症診断における血清骨代謝マーカー
中塚 喜義
1,2
,
三浦 雅一
3
1野崎クリニック
2大阪市立大学大学院医学研究科代謝内分泌病態内科学
3三菱化学ビーシーエル研究開発部戦略企画室
pp.1156-1162
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101075
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はじめに
高齢社会の到来により骨粗鬆症が注目され,有効な治療薬が使用されるに伴いその診断や治療判定の手段の一つとして骨代謝マーカーの測定が普及しつつある(表1).骨代謝マーカーのうち骨形成マーカーに分類されるものは,骨芽細胞に由来し血清を用いる.特に,Ⅰ型プロコラーゲンに関連したものでは,Ⅰ型プロコラーゲンC,N末端プロペプチド(typeⅠprocollagen-C-/-N-propeptide,PICP/PINP)が骨形成マーカーに分類されており,特に,骨代謝を鋭敏に反映するPINPの免疫測定法が商業ベースで用いられるようになった.一方,Ⅰ型コラーゲンに関連した骨吸収マーカーとしては,Ⅰ型コラーゲン架橋C-,N-テロペプチド(typeⅠcollagen crosslinked C-/N-telopeptide,CTX/NTX)が尿中のみならず,血中にも存在し,血清濃度の測定に適した免疫測定法も開発されている.また,破骨細胞に由来する酸フォスファターゼも,以前は酒石酸耐性の分画を酵素活性で測定されていたものが,感度の良好な免疫測定法での測定されるようになり有望な骨代謝マーカーとして見直されている.各種,血清を用いた骨代謝マーカーとその測定法を表1に示す2).
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