臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集
VIII.血液化学検査
111.アルカリフォスファターゼアイソザイム
鈴木 宏
1
1東大第1内科
pp.1886-1887
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216215
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はじめに
血清アルカリフォスファターゼ(ALP)のアイソザイムは寒天ゲル,セルロゲルを支持体とした場合と,殿粉ゲルおよびポリアクリルアマイドゲルのDisc電気泳動法の場合とで泳動像が異なる(図).相違点は寒天ゲルで最も陽極寄りに泳動されるALP1が,殿粉ゲルでは原点にとどまりALPⅦとなり,殿粉ゲルで最も陽極寄りに泳動されるALPⅠは,寒天ゲルではALP1と重なるため検出できない.その他のALPアイソザイムの移動度はほぼ同じである.なお寒天ゲルではPVPを加えるとその量によりALP1の移動度が低下し,ALP2の陰極寄りに泳動されることがある.
血清ALPアイソザイムのなかには臓器ALPと同じ性質を有するものがある.肝ALPはALP2(ALPⅡ),骨ALPはALP3(ALPⅢ),胎盤ALPはALP4(ALPⅣ),小腸ALPはALP5(ALPv)に一致する.なお,ALP1(ALPⅦ)はALP2が高分子化したもので,n-ブタノール処理を行うとALP2(ALPⅡ)と一致する.
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