オピニオン
臨床検査への想い
伊藤 耐子
1
1医療法人社団仁和会聖園病院臨床検査科
pp.743
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100967
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先日,メールをチェックしていたら「国民の医療を守る県民集会」への参加協力依頼が届いていた.医師会からの依頼であったが,先日公表された「厚生労働省医療制度構造改革試案」は国民にさらなる負担を強いるもので,ひいては国民皆保険制度を崩壊させかねないと説明があった.確かに,国民の医療費負担増は「だれでも,いつでも,どこでも」というわが国が世界にも誇れる,「平等に医療を受けること」ができなくなる危惧もあるが,われわれの懐が厳しくなることも大変なことである.
少子高齢化に伴い国民医療費の伸びが国民所得を上回り,診療報酬は改訂のたびに減額され,いうまでもなく検査室においてもわれわれの周りの医療事情は大変厳しくなってきている.もちろん,検査データに付加価値をつける,新しい業務の拡大,チーム医寮への参画,開かれた検査室を目指すなど日々の努力は惜しまずやってきている.しかし,将来に明るい兆しのある話が聞かれないのが寂しいが,医療において検査は不可欠であり,これからもなくなることはない.ある意味こんなに確かな未来があることも否定できないと思っている.
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