技術講座 血液
血液凝固補正試験
香川 和彦
1
1東京医科大学臨床検査医学講座
pp.735-742
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100966
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新しい知見
血液凝固系の機序については,一連の酵素反応の発端として,組織因子・活性型第Ⅶ因子複合体が重要な役割を果たしていることが解明されてきた.この複合体は,直接的に第Ⅹ因子を活性化するだけではなく,第Ⅸ因子の活性化を介して第Ⅹ因子の活性化を補完していると考えられている.血液凝固系の機能を総合的に反映するAPTTやPTについても,動物臓器由来試薬から遺伝子組み換え型組織因子や合成リン脂質を利用した試薬が開発,市販されるようになってきた.血液凝固補正試験については目新しい知見はないが,多くの検査室で測定できる簡便な方法であり,工夫を重ねることで凝固阻止物質を検出できる有用なスクリーニング検査であることに変わりはない.
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