検査法の基礎
クレアチニン補正
青木 哲雄
1
1常滑市民病院中央検査科
pp.817-821
発行日 1991年9月1日
Published Date 1991/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900802
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
サマリー
尿中成分定量は24時間尿(全尿)を対象に測定し,1日当たりの総排泄量で表すのが一般的である.しかし,蓄尿を行うには,被検者は日常生活の制約を受けるなど不便な点が多い.そこで,近年では,部分尿を対象に測定し,これにクレアチニン補正する方法も広く試みられている.
クレアチニン補正は,尿量誤差の補正に有用であるが,1日当たりのクレアチニン総排泄量に個人差のあるものを一律1g当たりに見立てて換算するため、24時間尿で求めた測定値と比較した場合に、クレアチニン総排泄量が1gから乖離する比率分だけ補正誤差を生じることになる.クレアチニン補正は,このような限界を承知して適用すれば,部分尿での測定値の信頼性を高めうる手段となる.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.