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pH色素の蛋白質誤差
鈴木 優治
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1埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科検査技術科学専攻
pp.554-555
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100929
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[蛋白質誤差とは何か]
pH指示薬(色素)はpHにより連続的に変色(色調変化)するため溶液pHの測定に用いられる.しかし,蛋白質の存在下においては,“蛋白質誤差”と呼ばれる溶液のpH変化とは全く関係のない変色を起こす.蛋白質誤差とは,溶液pHが一定に保持されているにもかかわらず,蛋白質があたかも溶液pHが変化したかの如くpH指示薬を著しく変色させる現象である.例えば,pH2.4の緩衝溶液に溶解したブロムフェノールブルー(bromphenol blue,BPB)溶液は黄色であるが,この溶液にヒト血清アルブミンを加えると,BPB溶液はただちに緑色~青色に変色する(図).
蛋白質の非存在下では,BPBの黄色から緑色~青色への変色はpHの上昇を意味するが,蛋白質添加後にもBPB溶液のpHは蛋白質添加前のpHと同じであるので,蛋白質添加による変色は蛋白質と色素の相互作用によりもたらされたことになる.このようにpH変化ではなく蛋白質により引き起こされる変色がpH指示薬の“蛋白質誤差”である.
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