Laboratory Practice 〈一般〉
pHが試験紙法による尿蛋白質測定に与える影響
鈴木 優治
1
1埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科
pp.299-302
発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102782
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はじめに
pH指示薬の蛋白誤差を応用した試験紙法が尿蛋白質の定性検査,半定量検査に広く用いられている.濃縮された成分が多い尿を分析対象とする,試験紙法では測定誤差を発生させる種々の要因が存在する1,2).尿pHは生理学的には概ねpH4~8の範囲で変動し,蛋白誤差による発色が著しいpH依存性を示すことから3),その検出系はクエン酸系緩衝物質でpH3.0に緩衝化されている.検出系pHを変動させる尿中成分と検出系pHの変動で生じる測定誤差の特性について把握しておくことは,検査成績の正しい解釈に不可欠である.本稿では,試験紙法の検出系pHの変動成分および検出系pHの変動により生じる測定誤差の特性について,筆者が純物質とブロムフェノールブルー(bromphenol blue,BPB)を用いて得た結果4~6)を中心に述べる.
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