検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
測定誤差をめぐって
柳井 晴夫
1,2
,
市川 雅教
3
1千葉大学文学部
2東京大学医学部
3東京大学医学部疫学教室
pp.25-30
発行日 1982年1月1日
Published Date 1982/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202419
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血圧やコレステロール値といった各種の医療検査における測定値はもちろんのこと,100m競走における計測タイム,さらには知能テストによって測定されるIQにいたるまで,様々な測定値には多かれ少なかれ誤差の成分が含まれていることは周知であろう.
すなわち,測定値をX,測定すべき真の値をt,更に誤差成分をeとすると,あらゆる測定値Xは
測定値(X)=真の値(t)+誤差(e)…………(1)
と分解される.例えば100m競走におけるある走者の5回のタイムが12秒1,12秒3,11秒8,11秒7,12秒1であれば,真の値は12秒0と推定され,それぞれのタイムには+0.1,+0.3,-0.2,-0.3,+0.1秒の誤差が含まれることになる.
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