失敗から学び磨く検査技術 病理標本作製法
固定時に生ずるアーティファクト 痛風結節の尿酸結晶
末吉 徳芳
1
1順天堂大学大学院医学研究科研究基盤センター細胞病理イメージング研究部門
pp.462-465
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100655
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図1~3は痛風関節摘出物に尿酸塩を証明できず,無構造物が線維組織に囲まれ,組織球,リンパ球,異物型巨細胞を境界部に見るいわゆる異物肉芽腫の像で,無構造の中に何かしらの物質(おそらくは尿酸塩)が存在していたことを示唆する所見である.
考えられる原因
ホルマリンで固定したため,結節中の尿酸塩は溶出してしまっている.尿酸は水に難溶ではあるが,やはり組織塊の大きさや固定液浸漬時間などによっては,ホルマリン水であっても溶出してしまい証明が難しくなってしまう.
![](/cover/first?img=mf.1543100655.png)
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