失敗から学び磨く検査技術 病理標本作製法
固定時に生ずるアーティファクト―ホルマリン色素
広井 禎之
1
,
冨永 晋
1
,
中西 邦昭
1
,
河合 俊明
1
1防衛医科大学校病理学第一講座
pp.460-464
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100017
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組織上に褐色-黒褐色顆粒状の沈着物が見られる.これはホルマリン色素と呼ばれている.この顆粒は赤血球の多い組織,部位すなわち脾臓,動脈,骨髄および出血巣に認められる傾向がある(図1~4).どうしてこのような沈着を生じるのだろうか.
ホルマリン色素沈着は何故悪いのか?
ホルマリン色素の沈着した組織は組織所見を妨げ,鏡検の邪魔になる.また,免疫染色を施した場合,判定が紛らわしくなるからである.
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