ワンポイントアドバイス
関連検査項目間のデータ乖離の事例から学ぶ
森田 啓子
1
1奈良県立医科大学附属病院中央臨床検査部
pp.368-369
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100616
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はじめに
血清蛋白分画は,種々の病態をスクリーニングするための基本的な検査の1つであるが,判読に際しては蛋白の量的変化をみるだけでなく,分画パターンの観察が重要である.特に単クローン性蛋白(monoclonal protein,MP,M蛋白)の検出に注意する必要があるが,M蛋白の量や出現位置によっては検出が困難な場合も多い.
一方,蛋白分画検査から得られるγ分画蛋白量と主な免疫グロブリン(IgA,IgG,IgM)の免疫学的測定(immunoassay,イムノアッセイ)による定量値の合計は,ほとんどの場合ほぼ一致するが,両者の乖離が稀なM蛋白血症を検出するきっかけとなることがある.今回はそのような例としてγ-H鎖病とIgD型骨髄腫との2症例を紹介する.
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