トピックス
新しい腎機能マーカー―尿中シスタチンC
内田 壱夫
1
,
後藤 明子
1
1(株)いかがく附属京都医科学研究所・研究開発部
pp.157-160
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100575
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はじめに
新しい腎機能マーカーとしてシスタチンC(cystatin C,以下Cys-C)が注目されている.既に,血清Cys-C値が糸球体濾過値(glomerular filtration rate,GFR)マーカーとして臨床的に有用であることが報告されている1,2).従来から内因性GFR物質として多用されてきた血清クレアチニン(creatinine,Cr)は,GFRが中等度以上の障害(30~40ml/min以下)で上昇するが,血清Cys-CではGFRがほぼ70ml/min以下で上昇し,Cys-CはCrでは評価できない腎機能低下域(creatinine blind range)をもカバーする感度を有することが明らかになってきた1).一方,筆者らは,尿中Cys-C値が尿細管間質障害および糸球体血圧マーカーになることを見いだした3,4).本稿ではCys-Cの,とりわけ尿中Cys-Cの腎機能マーカーとしての特性を中心に概説する.
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