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今日,臨床検査は量的・質的に著しい拡大を呈している.これに伴う,臨床検査技師(以下,検査技師)の業務の多様化は周知のごとくである.この結果,検査技師の知識・技能の質的向上は臨床の現場および社会的にも要求されている.専門職種としての知識・技術を高めるため,自らの意思により日々研鑽を積むことは臨床検査を担う者として当然のこととして個々の検査技師が考えていることであろう.資質の向上のための組織的な援助として日本臨床衛生検査技師会(以下,日臨技)の生涯教育研修制度が1992年4月に発足した.施行期間を経て1995年4月から本格実施に移行し,1998年9月からは,一般教育研修課程と専門教育研修課程(管理運営課程・精度管理課程・遺伝子検査課程)の2課程となり同時に日臨技総合情報システム(Japanese Association of Medical Technologists Information System,以下,JAMTIS)構築により利便性に富んだ運用がなされている.
教育研修の教科(カリキュラム)は,①基礎一般教科「A教科」,②基礎専門教科「B教科」,③臨床専門教科「C教科」,の3教科で構成されている.研修方式は「会場研修」と「自宅研修」の2とおりに区分され,自宅研修は「自己申告書」の提出を必要とする.研修成果と履修の到達度を客観的に評価するために研修対象および研修方式別の点数設定があり,1サイクル(3年間)で100点以上の履修点数を取得した日臨技会員に修了証書が発行される.この点数の内訳は A教科(15点以上)+B教科(25点以上)+C教科(60点以上)=合計100点以上 となっており,また,各教科のバランスが必須であると定義されている.専門教育研修課程の履修資格は一般教育研修課程を1サイクル以上修了した者とされ,一般教育研修課程の並行履修が義務となっている.生涯教育の基本が「自己研鑽」であることは当然であり,生涯教育の必要性を啓蒙するうえでは組織的援助制度といえる.修了証書発行の是非を論ずるわけではない.むしろ客観的な平等評価として認知度は高いと考える.しかしながら,修了証書獲得に対して何も評価されていない現状を鑑みると単なる自己認識の領域を脱していないのではないだろうかと思える.履修点数獲得の一例として,日本臨床細胞学会認定資格である細胞検査士の場合,4年間の履修点数の到達度が次期の資格更新に大きなウェイトを占めている.学会参加,発表,研修会出席,セミナー参加,論文投稿などそれぞれの積極的な参加による履修制度が大きな柱となっている.輸血認定技師,超音波認定技師なども類似の履修制度を有している.
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