検査室の安全管理・11
生体試料の取り扱いと倫理 その2 組織・細胞診
井藤 久雄
1,2
1鳥取大学医学部器官病理学
2日本病理学会
pp.133-136
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100344
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病理学は医療の精度管理のみならず,医学研究の促進,医学教育において重要な役割を果たしている1).病理部門には細胞診断,生検あるいは手術や病理解剖から得られた検体が保管されている.病理医は高い職業倫理観とプロフェッショナルとしての高度な業務遂行能力とを発揮し,これら病理検体を整理・保管し,適切利用に供する責務を有している.他方,近年の医療倫理観の変容に従って,医学研究に関する各種指針やガイドラインが提示されている(表1)2~6).さらに,2005年4月1日には個人情報保護法が施行された.病理部門に保管されている組織検体の取り扱いに関しては現場を担当するすべての医療者が適切な認識を共有する必要がある.同時に一般社会に対して広くアピールし,利用目的や業務内容を理解していただく必要がある.
日本病理学会倫理委員会の活動
(表2)
日本病理学会は2000年,病理検体を学術研究・医学教育に使用することについて肯定的見解を提示した.ただし,検体由来者の承諾・同意を必要とした.
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