増刊号 一線診療のための臨床検査
第II章 各論―検査編
4. 生化学検査
10)ALP
石川 仁子
1
,
前川 真人
2
1浜松医科大学医学部附属病院検査部
2浜松医科大学医学部臨床検査医学教室
pp.1280-1282
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100289
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検査の基礎
1 . 試料の取り扱い
ALP測定では血清を測定用試料とする.迅速性を重んじ,血漿を測定用試料とする場合は抗凝固剤としてヘパリンを使用する.キレート作用による抗凝固剤であるEDTA塩やクエン酸塩を用いると,ALP活性に必要なカルシウムなどの金属イオンが失われるため,活性低下による誤判読の要因となる1).
2 . 測定法の概略とポイント
現在,日本では約94%の施設(2004年度日本医師会臨床検査精度管理調査)で,日本臨床化学会標準化対応法2)が用いられている.これは4-ニトロフェニルリン酸を基質とし,2-エチルアミノエタノール(ethyl amino ethanol,EAE)を緩衝液とする測定系である.本法によるALPアイソザイムの比活性は肝型を100とすると,骨型90,胎盤型89,小腸型99,すなわち各アイソザイムをほぼ均等に測定できる.
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