Laboratory Practice 生化学
ALPアイソザイムの自動解析システム
石川 仁子
1
1浜松医科大学医学部附属病院検査部
pp.1412-1414
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101143
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
アルカリホスファターゼ(alkaline phosphatase,ALP)アイソザイム検査は,ALP総活性の上昇時にその由来が肝胆道系疾患によるものなのか,骨代謝異常によるものなのかを判定するのに役立つ.また,高分子Ⅰ型の存在,およびビリルビン正常の際の肝内占拠性病変(space occupaying lesion)(肝内SOL)を意味するものとして臨床的有用性も高い.しかし,ALPは泳動パターンがLDのようにきれいな5分画をせず,むしろ判読に熟練を必要とするため,判読者によって評価基準はまちまちであり主観的なものとなっていると思われる.そこで以下に示す目標を立て,ALPアイソザイムの判定論理を作成することを試みた.
①アイソザイムパターン判読の支援システムを構築する.
②従来までのエビデンスを活用した判定基準に準ずる(飯野,菰田らの報告,われわれの判定基準).
③原理・理論とアイソザイムパターン,その意義を理解するためのツールとしても活用するためにヒトの論理的思想に沿ったフローチャートとする.
④考えられる病態とその鑑別診断の参考となる検査項目を列挙する形で報告する.
⑤フリーコメントとして,解析者の判定を加える.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.