増刊号 一線診療のための臨床検査
第I章 総論―臨床編
12. 検査値の基準値と基準範囲
3)妊婦
大澤 進
1
1九州大学医学部保健学科検査技術科学
pp.1134-1136
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100249
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はじめに
ここで取り上げた一般的な生化学,血液学,免疫化学の検査項目で妊婦に関する基準範囲をNCCLSの基準に従って求めた文献は見当たらない.また,妊娠に伴う変化について求めた報告値は従来の古い概念で求められた正常値であること,また,国内で求められた報告値ではすべての項目を提示することはできないことから,諸外国のデータも組み合わせて提示した.
妊娠から出産までの週数により検査データは生理学的に変化する.ここでは非妊娠時と妊娠時とを大きく三つの週数で分類して比較した.第1期(初期:最終月経~13週6日),第2期(中期:14~27週6日),第3期(後期:28~41週6日)として検査データの変化を比較することにした.正常値を求めた例数は報告者により異なるため,それぞれの文献の出典や例数を明記した.
妊婦患者が緊急検査で検査依頼された場合,妊娠中にどのような生理的な変化が起こり,その結果検査データがどのように変化するかを理解できることを主たる目的としてまとめた.
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