今月の臨床 産婦人科とウイルス感染
トピックス
3.妊婦と予防接種
内田 章
1
1君津中央病院新生児科
pp.315-318
発行日 1996年3月10日
Published Date 1996/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902453
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予防接種を考えるとき,通常は接種を受ける本人の利益不利益が問題である.しかし妊婦という特殊な条件での予防接種を考えるときは,接種を受ける母体と同等以上に胎児の利益不利益が問題となる.
ワクチンは弱毒生ワクチンと不活化ワクチンに大別される.母体と胎児の利益不利益を検討するにもまずこの二つに分けるとよい.弱毒生ワクチンでは自然感染と同様にウイルス血症が起こる.このときワクチンウイルスが胎盤を通して胎児に移行すれば児への影響が懸念される.不活化ワクチンではウイルス血症は起こらないので,母体に起こる発熱などの副反応で流産などが誘発されないかどうかを考えればよい.
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