特集 妊婦の健康状態・生活習慣が胎児に及ぼす影響
3.妊婦の喫煙
長田 まり絵
1
,
黒沢 和夫
2
,
井埜 利博
2
1いのクリニック
2群馬パース大学保健科学部
キーワード:
喫煙妊婦
,
胎児タバコ症候群
,
喫煙による胎児の影響
,
受動喫煙
,
生活習慣病胎児期発症説
Keyword:
喫煙妊婦
,
胎児タバコ症候群
,
喫煙による胎児の影響
,
受動喫煙
,
生活習慣病胎児期発症説
pp.1879-1887
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000696
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妊婦の喫煙は,妊娠合併症のみならず,胎児に大きな障害を残す.出生した児は後々も種々の後遺症を残し,大きな社会問題である.本稿では妊婦の喫煙とそれによって生じる出生時の低体重,子宮内胎児死亡,早産,常位胎盤早期剥離などの周産期の異常さらに口唇口蓋裂をはじめとする先天奇形,乳幼児突然死症候群,小児期の肥満,注意欠陥多動性障害などについて最近のコホート研究の結果を交えて解説した.また筆者らのグループが提案する胎児タバコ症候群の診断基準や生活習慣病胎児期発症説(DOHaD仮説)についても述べた.妊娠が判明する時期はすでに胎児は胎芽期に入っているため,その時点で禁煙しても児の合併症は防ぎ得ない.そのため女性は小学校高学年や中学校からの包括的な禁煙教育が重要であると考える.
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