トピックス
ES細胞の未来
下里 大輔
1,2
,
丹羽 仁史
1,2
1理研・発生再生研・多能性幹細胞研究チーム
2神大・大学院医科系研究科・発生再生医学講座
pp.1533-1536
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100209
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
胚性幹細胞(ES細胞:embryonic stem cell)とは,①初期発生過程の胚に由来する,②多能性の,③幹細胞株,と定義される.ES細胞は胚盤胞と呼ばれる着床直前の胚の内部細胞塊(inner cell mass,ICM)をin vitroで増殖可能にした細胞株であり,三胚葉(外胚葉・中胚葉・内胚葉)それぞれに属する少なくとも1種の細胞に分化できる多能性と,自分と同じ分化能を持つ細胞を生み出す「自己複製能」とを併せ持つ細胞である1).1998年のヒトES細胞樹立の報告により2),現在「再生医療への応用」という形で注目されている.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.