検査じょうほう室 血液:自動血球分析装置のフラッグ処理で困ったこと
血小板フラッグで困ったこと
原田 佳代子
1
,
有村 義輝
2
,
三島 正輝
2
1鹿児島市医師会病院医療支援部
2鹿児島市医師会臨床検査センター
pp.1508-1511
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100201
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はじめに
近年,自動血球計数装置の精度・性能はめざましく向上し,血球計算に加えて白血球5分類,網赤血球測定なども同時測定できる装置が主流となっています.鹿児島市医師会臨床検査センターでは,Sysmex XE-2100を使用しており,分析装置の信頼性に加えて,その機種の特性を踏まえたうえでさまざまなIPメッセージ(インタープリティブメッセージ)を基にデータ解析を行っています.
今回は,血小板凝集をテーマに述べます.血小板減少には,病的なもののほかに,抗凝固剤,特にEDTA(ethylenediaminetetraacetic acid,エチレンジアミン四酢酸)加採血時にみられるEDTA依存性血小板減少症があります.両者の判別を早く正確に行うことは,その後の検査や診断に大きな影響を与えます.
血小板凝集の有無判定については,分析装置のフラッグや前回値比較などを基にして判断しますが,場合によってはフォニオ法(Fonio method)や血液塗抹標本で凝集の有無確認を行っています.検査センターのように大量検体を扱う施設や検査技師の作業効率化を考えるうえでは,極力手作業による処理は軽減したいものです.
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