技術講座 微生物
淋菌の感受性検査
村谷 哲郎
1
,
松本 哲朗
1
1産業医科大学医学部泌尿器科
pp.1451-1457
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100184
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新しい知見
キノロン耐性株出現後の淋菌経口治療の切り札であった第三世代経口セフェムは,現在でも日本以外では耐性株がほとんど報告されていない.しかし,われわれは1999年5月に第三世代経口セフェムであるセフジニル(cefdinir)を使用したにもかかわらず無効であった症例を経験し,その翌月には,アズトレオナム(aztreonam)静注を行い無効であった症例を経験した1).これら2症例を経験した後,このような耐性淋菌は急速に広がり,現在わが国では4%に達している.その耐性機序はPBP-2の遺伝子penAの大部分が他のNeisseria属の遺伝子とキメラ化を起こしていることにある.これらと同様の薬剤感受性を示す株は,ハワイで4例報告されている2)だけであり,日本特有の耐性株である.
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