特集 癌の臨床検査
IV 癌の検診—主要な症候別癌診断・検査のポイント
4 主な症候黄疸—膵・胆・肝癌
小林 誠一郎
1
,
山本 雅一
1
,
高崎 健
1
Seiichiro KOBAYASHI
1
,
Masakazu YAMAMOTO
1
,
Ken TAKASAKI
1
1東京女子医科大学消化器外科
pp.1540-1543
発行日 1989年10月30日
Published Date 1989/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917659
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
肝・胆・膵癌において,黄疸症状は大切な症候の一つである.特に胆管癌,乳頭部癌,膵頭部癌においては黄疸が初発症状である場合も多く,確実な診断により適切な治療法を選択してゆく必要がある.実際には,肝胆膵の悪性疾患にて経皮経管的胆管ドレナージ(PTCD)を施行した患者の約半数に外科的治療が選択されていた(表1).的確な診断のためには,閉塞性黄疸(外科的黄疸)の鑑別が重要であり,閉塞性黄疸の病態,緊急性を理解したうえでの検査計画が大切である1).
本稿においては,一般検査から閉塞性黄疸の鑑別のためのキーポイントについて述べ,さらに特殊検査による質的診断,検査計画について記載する.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.