特集 癌の臨床検査
I 癌そのものをとらえる検査
3 癌組織産生物質"腫瘍マーカー"の検査
C.臓器別腫瘍マーカー 8)甲状腺癌
岩崎 博幸
1
,
伊藤 國彦
2
Hiroyuki IWASAKI
1
,
Kunihiko ITO
2
1伊藤病院(東京)外科
2伊藤病院
pp.1434-1437
発行日 1989年10月30日
Published Date 1989/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917635
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
甲状腺癌は,濾胞癌,乳頭癌,髄様癌,未分化癌,その他に分類されているが,組織型によって臨床像も著しく異なっている.また内分泌腺から発生する腫瘍なので,特有な物質を産生・分泌する特徴を有している.最近,免疫組織化学の進歩により種々の知見が得られてきた.特にC細胞由来の髄様癌はカルシトニンを分泌し,各種腫瘍マーカーの中で最も理想的な腫瘍マーカーといいうる.
本稿ではサイログロブリン,カルシトニンを中心に,新しい知見を含め,甲状腺癌における腫瘍マーカーについて述べたいと思う.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.