特集 癌の臨床検査
I 癌そのものをとらえる検査
3 癌組織産生物質"腫瘍マーカー"の検査
C.臓器別腫瘍マーカー 7)産婦人科領域の癌
佐藤 信二
1
,
遠藤 敦
1
,
矢嶋 聰
1
Shinji SATO
1
,
Atsushi ENDO
1
,
Akira YAJIMA
1
1東北大学医学部産婦人科
pp.1430-1434
発行日 1989年10月30日
Published Date 1989/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917634
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はじめに
腫瘍マーカーは,1848年Sir Henry Bence Jonesにより多発性骨髄腫患者尿中に,Bence Jones蛋白の存在が報告されたのに始まる.その後Abelevによるα—フェトプロテイン(AFP)の発見,GoldによるCEAの発見などを経て一つの時代を迎え,近年はKoprowskiにより発見されたCA 19-9など,バイオテクノロジーを利用した細胞融合法で作られたモノクローナル抗体が,腫瘍マーカーに利用されるようになり,急速な進歩を遂げようとしている.
本稿では産婦人科領域の癌に対する腫瘍マーカーの臨床応用の現況と問題点につき論述する.
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