特集 癌の臨床検査
I 癌そのものをとらえる検査
3 癌組織産生物質"腫瘍マーカー"の検査
C.臓器別腫瘍マーカー 4)肺癌
石井 芳樹
1
,
北村 諭
1
Yoshiki ISHII
1
,
Satoshi KITAMURA
1
1自治医科大学呼吸器内科
pp.1417-1420
発行日 1989年10月30日
Published Date 1989/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917631
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はじめに
最近,モノクローナル抗体の技術の進歩によりさまざまな新しい腫瘍マーカーが開発され,検討されている.しかし,肺癌に特異的で,良性疾患との鑑別が可能であり,早期から検出され,スクリーニングにも役立ち,さらに肺癌の組織型も判定できるといった理想的なマーカーの発見,開発にはまだ成功していない.だが,特異性,感受性においてまだ十分とはいえないまでも,腫瘍マーカー測定の診断,治療における有用性は大きい.
肺癌は,他の臓器腫瘍と比較し,その病理組織学的多様性から,関与する腫瘍マーカーも多彩である.肺癌における主な腫瘍マーカーを表1に示す.本稿では,代表的マーカーの臨床的意義について述べるとともに,肺癌の産生する異所性ホルモンについても触れたい.
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