話題
血漿リポ蛋白と赤血球膜
八幡 義人
1
1川崎医科大・内科
pp.1358
発行日 1985年11月1日
Published Date 1985/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917528
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ヒト成熟赤血球は脂質合成能を欠くために,各膜構成脂質や脂質交換は血漿リポ蛋白の脂質に依存している.すなわち,赤血球膜脂質の素材は主として血漿からの脂質供給による.
血漿リポ蛋白(LP)の主体は,エステル型コレステロール(CE)とトリグリセライド(TG)であるが,前者が血漿LP全量の約2/3を占めている.しかし,このCE,TGともに赤血球膜の構成成分ではない.そこで,その他のリポ蛋白組成のうちリン脂質(PL)と遊離型コレステロール(FC)が問題となる.この両者は,血漿・赤血球間で比較的容易に交換されている.血漿PL分画では,PCとSMとが主体となっており(いずれもコリン系PLである),当然,赤血球膜PL組成に重大な影響を与えうる1).
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