今月の主題 臨床診断のロジック
技術解説
細胞診のロジックと自動化
田中 昇
1,6
,
池田 栄雄
2
,
上野 哲夫
3
,
石川 明
4
,
鴻池 克寛
4
,
島岡 より子
4
,
細井 清夫
5
,
岡本 勇三
5
Noboru TANAKA
1,6
,
Hideo IKEDA
2
,
Tetsuo UENO
3
,
Akira ISHIKAWA
4
,
Katsuhiro KONOIKE
4
,
Yoriko SHIMAOKA
4
,
Kiyoo HOSOI
5
,
Yuzo OKAMOTO
5
1千葉県がんセンター研究所
2千葉県がんセンター細胞診室
3千葉県がんセンター研究所病理研究部
4千葉県対がん協会細胞診
5東芝那須工場
6日本大学医学部病理学
pp.481-491
発行日 1983年5月15日
Published Date 1983/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917435
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形態学に頼らざるをえない早期癌発見の重要な分野として細胞診が大きく貢献している事実は周知のとおりで,特に子宮癌については老人保健法で細胞診による集団検診が法文化されている.細胞像の解析から悪性,非悪性を判別する過程で,客観性のある計量的な特徴抽出,特徴評価に基づく発想について記載した.このフィロソフィーは「勘」とか,脳,思考を持たないコンピューターを用いる細胞診断自動化に直結するものである.1967年に,画像処理による細胞診スクリーニング自動化の基礎的研究を開始,1972年,CYBEST (Cytobiological ElectronicScreening System)のプロトタイプを試作,1974年にflying spot scannerの自動二段切り換え(粗・精走査)によるModel 2を(現在金沢医科大学病理学武川教授が集検に実験的に応用),1978年にTVのシャドーイングのソフトウエアによる自動補正に成功し,TV走査を導入したModel 3を開発.従来,1枚6分間処理であったものが,種々の高速化機構導入によって1枚3分間処理が可能になった.1981年はModel 3のミニコンピューターをマイコンに置き換えた机サイズの実用型を開発した.1枚3分間,連続200枚が10時間で処理される.
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