グラフ
螢光抗体法による脳炎像
青山 友三
1,2
1伝染病研究所・病理学研究部
2東大
pp.302-303
発行日 1966年4月15日
Published Date 1966/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917008
- 有料閲覧
- 文献概要
左の表は東京地区で3年間にわたって毎年夏を中心に発生した日本脳炎(臨床診断)の剖検例をまとめたものです.一番診断の決め手となるウイルス分離は第7病日以降ではむずかしく,一方,迅速診断のできる螢光抗体法がすぐれていることを示しています.もう一つ注目すべきは毎年その時期に日脳以外の脳炎が発生していることで(ウイルス分離,螢光抗体法,組織所見などが何れも陰性の例),たとえばエンテロウイルスなどによる脳膜脳炎があげられます.抗原抗体反応の特異性を利用した螢光抗体法(直接法)を用い実験的に種々のウィルス性脳炎をしらべてみると,それぞれの病理発生に特徴のあることがわかります.
これによって今まで原因不明とされていた脳炎のいくつかを,はっきりと診断しうるめどがつきました.
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.