シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Technology編
Competitive NASBA法
川口 竜二
1
,
小林 優
1
Ryuji KAWAGUCHI
1
,
Masaru KOBAYASHI
1
1株式会社エスアールエル遺伝子・染色体解析センター研究開発課
キーワード:
Competitive NASBA
,
WT1mRNA
,
RNA定量
,
RNA quantification
Keyword:
Competitive NASBA
,
WT1mRNA
,
RNA定量
,
RNA quantification
pp.913-918
発行日 1999年8月15日
Published Date 1999/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916928
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はじめに
Nucleic acid sequence-based amplification(NASBA)は主としてRNAの鋳型に対して一鎖のRNA断片をin vitroで増幅する方法である1,2).NASBAはもともとself-sustained sequence replica-tion (3 SR)と呼ばれる方法で開発され,またTran-scription-mediated amplification (TMA)法ともその源を一にする.現在NASBAの商業的使用権はOr-ganon Teknika社が有する.
mRNAは蛋白の翻訳源であり,RNA測定に有利なNASBA法のメリットは定量測定に,より発揮される.従来,生体で発現する遺伝子量を定量化するためには,ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の定量測定を含めて,標準濃度の核酸を被検核酸(材料)に添加してサンプルの核酸と同時に増幅する方法が一般的に行われてきた(competitive RT-PCR).しかしこの方法では,測定対象のテスト数が増加するという欠点がある.ここでは,われわれが開発した内部標準法と外部標準法を組み合わせて,被検テスト数を最小限にした,ダイナミックレンジの広いCompetitive NASBAによる測定法について述べる.
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