最近の検査技術
リポ蛋白-Xの定量検査
櫻林 郁之介
1
,
川口 竜二
1
1自治医科大学臨床病理学
pp.639-643
発行日 1980年8月1日
Published Date 1980/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202109
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肝臓・胆管の疾患を有する患老血清中への異常リポ蛋白の出現は,1956年にRussら1)により最初に報告されたが,このリポ蛋白が閉塞性黄疸時にみられることから,Sweitzer2)はこれを閉塞性リポ蛋白(obstructive lipoprotein)と称し,低比重リポ蛋白(LDL)中で他の蛋白とは異なる化学的及び免疫学的な性質を有する異常リポ蛋白であることを示したが,その後Seidelら3)は,これが閉塞性黄疸患者のLDL中において通常のリポ蛋白-A(Lp-A)やリボ蛋白-B(Lp-B)のほかに存在するもう一つの異常リポ蛋白であることを報告し,リポ蛋白-X(lipoprotein-X,以下Lp-X)と命名した.Lp-Xの測定は肝疾患,中でも胆汁うっ滞の鑑別検査として重要視されつつあり,後述する種々の定量的測定法が発表され改良法も提案されている.
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