今月の主題 膵疾患と臨床検査
話題
膵島アミロイド蛋白
光川 知宏
1
,
年森 啓隆
1
,
松倉 茂
1
Tomohiro MITSUKAWA
1
,
Hirotaka TOSHIMORI
1
,
Shigeru MATSUKURA
1
1宮崎医科大学第三内科学教室
キーワード:
膵島アミロイド蛋白
,
膵島アミロイド
,
インスリン非依存型糖尿病
Keyword:
膵島アミロイド蛋白
,
膵島アミロイド
,
インスリン非依存型糖尿病
pp.1096-1097
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916871
- 有料閲覧
- 文献概要
1.はじめに
膵島のアミロイド沈着はインスリン非依存型糖尿病(NIDDM)で高率に認められる病理学的所見である.そのほか膵島アミロイドは非糖尿病高齢者やインスリノーマにおいても認められる.長年膵島アミロイドの原因蛋白は不明であったが,1986年インスリノーマの膵島アミロイドから分子量約4,000のペプチドが分離され,1987年このペプチドの全構造が明らかとなり,islet amyloidpolypeptide(IAPP)1)またはamylin2)と命名された.IAPPは37個のアミノ酸残基より成り,calcitonin gene-related peptide(CGRP)と46%の相同性を有している.現在IAPPは膵ラ島B細胞から分泌される膵ホルモンとして,糖代謝やNIDDMの成因や進展に関与する可能性が示唆されている.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.