今月の主題 膵疾患と臨床検査
話題
メトヘムアルブミン
竹内 正
1
,
岩下 宏宣
2
Tadashi TAKEUCHI
1
,
Hironobu IWASHITA
2
1東京女子医科大学消化器内科
2東京女子医科大学臨床中央検査部
キーワード:
メトヘムアルブミン
,
急性膵炎
,
出血性膵炎
Keyword:
メトヘムアルブミン
,
急性膵炎
,
出血性膵炎
pp.1098-1099
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916872
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1.はじめに
急性膵炎患者において発症早期に重症度を判定することは,治療法の選択や予後を知るために重要な意味を持っている.判定の方法としては,検査成績を用いたRansonらの基準や,臨床症状を用いたBankらの基準があるが,わが国では1990年に厚生省特定疾患難治性膵疾患調査研究班により,臨床検査所見と臨床所見を含めた判定基準が作成されている1).
臨床検査としてのメトヘムアルブミン(methemalbumin;MHA)測定は,上記の重症度判定基準には採用されていないが,重症急性出血性膵炎患者血清(あるいは腹水)中に認められることから,急性膵炎の病型を判定する1つの指標となりうるものであり,臨床応用の可能性がある.
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