特集 血液検査の問題点
19 定量的赤血球抵抗試験—Parpart法
福岡 良男
1
1東京医歯大・中央検査部血清
pp.983-987
発行日 1968年12月1日
Published Date 1968/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916557
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はじめに
低張食塩水に対する赤血球抵抗試験は,わが国では,Ribiere法のGiffin-Sanford変法が広く行なわれている。この方法は簡便であるうえに,最小抵抗と最大抵抗,ならびに抵抗幅を容易に求めることができるが,測定時のpHと温度のずれによる測定値の変動がほとんど考慮されていない。また,肉眼的に判定しているので,最小抵抗と最大抵抗の値が厳密でなく,また,その中間の赤血球抵抗の状態を正確に数値をもって表現することができない。
採血した血液を保存しておくと,先天性球形赤血球症や発作性夜間血色素尿症などの血液は健康人の血液に比して溶血しやすい。このような現象から,無菌的に保存した脱線維血液を用いて,低張食塩水に対する赤血球抵抗を測定する方法がParpartによって考えだされた。
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