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赤血球抵抗試験
糸賀 敬
1
1長崎大・中検
pp.1454
発行日 1970年12月15日
Published Date 1970/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907037
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先天性球形性溶血性貧血患者の赤血球は形態的に小赤血球性,球形性を呈するとともに,低張食塩水に対して非常に脆弱となる.すなわち,正常人の赤血球に比較してその浸透圧抵抗が減弱し,破壊されやすくなる.この現象を検査する方法にリビエール法やパルパート法が用いられ,新鮮あるいは37℃で24時間インキュベートした脱線維素血を検体として使用する.なお,そのほかに機械的抵抗,酸に対する抵抗,自家溶血などの検査により赤血球の脆弱性を測定する.
リビエール法(Ribiérre法)は,食塩水濃度0.50%から0.28%まで,0.02%の差の間隔をおくように12本の食塩水系列を作成し,これに被検赤血球を1滴ずつ加え,25℃(室温)に2時間以上静置し,3000rpm10分間遠心して,その上清を肉眼的に観察する.溶血が開始しはじめた最高食塩水濃度(最小抵抗)と,全赤血球が完全に溶血しはじめた食塩水濃度(最大抵抗)を測定し,被検赤血球の浸透圧抵抗を判定する方法である.正常値は最小抵抗が0.46-0.40%,最大抵抗が0.36-0.30%である.
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