技術講座 血液
赤血球抵抗試験
秋山 淑子
1
1東大病院中検
pp.62-63
発行日 1974年5月1日
Published Date 1974/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200460
- 有料閲覧
- 文献概要
低張な塩類水溶液中では赤血球は球状変化(膨張球形化)を起こし,一定濃度以下では溶血する.この時の塩の濃度によって赤血球の抵抗を表すのを赤血球抵抗試験(浸透圧抵抗試験)と言う.この検査は赤血球がこわれやすいかどうかをみるというよりは,赤血球厚径が増加しているか否か,すなわち球状赤血球の有無,程度を顕微鏡による形態学的観察より鋭敏に反映するものと考えられる.
濃度の異なる塩類溶液の系列に赤血球を混ぜ溶血の有無を調べるのであるが,赤血球の老若によって抵抗の強いものと弱いものとがあるから,溶血がわずかに起こった溶液の濃度(最小抵抗値)と,全部の赤血球が溶血した溶液の濃度(最大抵抗値)を求めなければならない.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.