特集 血液検査の問題点
14 血小板機能測定の問題点
山中 学
1
1徳島大・中央臨床検査部
pp.937-943
発行日 1968年12月1日
Published Date 1968/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916549
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血小板機能とは
血小板は止血に,血液凝固反応と同じく重要な役割を果たしている。したがって,血小板数が減少すれば,量的な機能低下で,また血小板数が正常でも,質的な機能低下があれば,出1血傾向を示す。
ところで,血管損傷にあたって,生体の最初の反応は,血管損傷部への血小板の付着である。さらに,この血小板へ流血中の血小板が付着して,大きい凝集塊をつくり,積極的に止血栓として出血の穴を塞こうとする。これを血小板の粘着・凝集反応という。血小板が極端に減少すれば,傷害部に付着する血小板が少なく,またこれらの機能が低下していれば,たとえ血小板が正常量あっても,完全な止血栓がつくられず,出血が持続する。
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