グラフ
咽頭所見と検査成績
柳下 徳雄
1
,
山辺 昌
1
1東京都立駒込病院
pp.148-149
発行日 1968年3月15日
Published Date 1968/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916355
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検査室へは,各科から咽頭培養の検査依頼が相当多い。しかし,培養結果が出たさいに,その咽頭所見はどんなようすなのか,検査成績は診断にどう役立ったのか,検査技師諸君は知る機会がないのが通常である。そこで,咽頭に変化を生じる疾患の代表的なもの数例について,咽頭所見・臨床経過・検査成績と診断を揃えて,御参考に供する。
症例1〜4は,咽頭症状が病気の主症状であり,咽頭培養の結果が原因を決定した例である。症例5は,咽頭症状は病気の一部であり,検査の面でも,咽頭から溶連菌が純培養状態に検出されたことは,皮膚の発疹のγ—グロブリンテスト陽性という成績と一緒に考えて,狸紅熱と診断確定した例である。症例6は,咽頭症状が病気の主症状で,ジフテリアを疑わせたが,咽頭培養の成績はこれを否定したので血液検査が実施され,顆粒白血球減少症という診断が導き出された例である。このように陰性という検査所見も,正しい診断に到達するために重要なことに注意して頂きたい。
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