トピックス 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域のレーザー治療—その適応と成績
3.喉頭・下咽頭疾患のレーザー治療の適応と成績
森 一功
1
,
千々和 圭一
2
,
梅野 博仁
2
1近畿大学医学部耳鼻咽喉科学講座
2久留米大学医学部耳鼻咽喉科学講座
pp.731-739
発行日 2000年10月20日
Published Date 2000/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902250
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はじめに
1972年にレーザーを用いた喉頭微細手術が最初に行われて1)以後,レーザーの臨床応用は急速に広まってきた。特に炭酸ガスレーザーは,現在では初期の喉頭癌の治療法としては放射線に勝るとも劣らない治療成績をあげている2)。他方,YAGレーザーは上顎癌の手術で凝固止血に多用され,KTPレーザーは喉頭の血管腫治療の第1選択となってきている。いわば,頭頸部領域でのレーザーの使用は近年の流行ではあるが,各疾患ごとの適応や治療成績については,包括的にこれらをまとめた報告は見当たらない。
そこで,本稿では,喉頭・下咽頭の代表的な腫瘍性疾患におけるレーザー治療をまとめてみる。すなわち,その適応と治療成績とについて,久留米大学医学部耳鼻咽喉科での治療成績と過去の報告とを振り返って詳しく述べる。
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