トピックス 下咽頭・頸部食道癌の治療とその成績
4.下咽頭・頸部食道癌の治療とその成績
岡本 牧人
1
1北里大学医学部耳鼻咽喉科
pp.598-603
発行日 1995年7月20日
Published Date 1995/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901164
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はじめに
北里大学病院耳鼻咽喉科では腫瘍外来で癌患者を診療している。一般外来で悪性腫瘍と診断された患者や疑いのある患者は,その場に腫瘍スタッフがいる場合はそこで大まかな指示を受ける。そうでない場合は翌週の火曜日午後の腫瘍外来に予約され,治療方針が決定される。中には検査や手術の後に悪性腫瘍と診断されることもあるが,判別した時点から腫瘍外来の管理の元に置かれ,その後のフォローアップは腫瘍外来で行う。
腫瘍外来は頭頸部診療主任の高橋廣臣が統括し,腫瘍外来終了後に病棟婦長,病棟薬剤師とともにカンファランスを行い,その日の外来患者および入院患者について検討する。いくつかの疾患については担当を決めて対処している。筆者は1979年より腫瘍外来に参画し,1980年より下咽頭・頸部食道癌を担当してきた。以後,1992年までに89例の下咽頭・頸部食道癌患者の治療を行い,その5年累積生存率が55%であったことを報告した1)。
本稿では治療開始より5年以上を経過した53例のついての成績と治療を中心の述べ,併せて最近の治療のついて考察した。
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