技術解説
腎機能検査法(2)—Fishberg濃縮試験
浦壁 重治
1
,
折田 義正
1
,
小山 紀久子
2
,
石橋 恭子
2
1大阪大学医学部第一内科
2大阪大学中央臨床検査部
pp.489-498
発行日 1965年6月15日
Published Date 1965/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915766
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はじめに
今回はPSP排泄試験とならんで簡易腎機能検査法のもう一つの柱であるFishberg濃縮試験について解説する。この濃縮試験の重要性を理解するには,まづ尿の濃縮が腎のどの部位で,かつどんな機構で遂行されているか,その大要を知る必要がある。1)2)3)
周知のように腎臓はネフロン(nephron)とよばれる構造単位が両腎で約200万個集合してできた臓器である。このネフロンは図1に示すように,血漿の限外滬過(ultrafiltration)が行なわれる糸球体(glomerulus)と各種溶質および永の再分吸収,排泄の行なわれる尿細管(tubulus)—糸球体に近い方から近位尿細管,Henle係蹄,遠位尿細管,集合管という—より構成されている。
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