臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集
XI.腎機能検査
145.Fishberg濃縮試験
折田 義正
1,2
1滋賀医大第3内科
2阪大第1内科
pp.1972-1973
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216249
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はじめに
Fishberg濃縮試験とは,①生体を軽い脱水状態とし,血清浸透圧を上昇させると,②この現象が浸透圧受容器に感受され,視床下部の抗利尿ホルモン(ADH)産生を増加させ,このホルモンが脳下垂体後葉より血中に放出され,③腎遠位尿細管,集合管に働いて,尿細管腔より水の再吸収を増加させ,血清浸透圧を正常に戻そうとする一連の反応を利用して,遠位尿細管,集合管(いわゆる下部ネフロン)の機能を調べる検査である.
この検査には,採血,試薬などを必要としないが,患者自身の守るべき注意,食事,投薬内容などが関与し,測定にも誤差が入りやすいので,成績解読には注意を要する.
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