臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅺ.腎機能検査
172.Fishberg濃縮試験
折田 義正
1
Yoshimasa Orita
1
1大阪大学医学部・第1内科
pp.2518-2519
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219493
- 有料閲覧
- 文献概要
Fishberg濃縮試験とは,①生体を軽く持続的な脱水状態下におき,血清浸透圧を徐々に上昇させると,②この現象が浸透圧受容器に感受され,視床下部抗利尿ホルモン(ADH)産生を増加させ,これが脳下垂体後葉より血中に放出され,③腎集合管に働いて,尿細管腔より水の再吸収を増加させ,血清浸透圧を正常に戻そうとする一連の反応を利用して,集合管(いわゆる下部ネフロン)の機能を調べる検査である.
この検査は,採血,試薬などを必要としないが,患者自身の守るべき注意,食事,投薬内容などが関与し,測定にも誤差が入りやすいので,成績解読には注意を要する.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.