研究
GL管使用による尿糖測定に関しての検討—(I)光電比色法による定量の基本的条件の検討
佐々木 禎一
1
,
鈴木 彰
1
,
小屋 進
1
1札幌医科大学附属病院中央検査部生化学
pp.250-253
発行日 1965年3月15日
Published Date 1965/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915739
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Somogyiのカラメル法をその原理とするGL管による尿糖定量の際の諸操作条件を検討し次の結果を得た。
1)ブ糖およびその他の少糖体は呈色後皆類似の吸収曲線を示し,吸収極大は短波長領域(330〜350mμ)にある。
2)ブ糖の検量線は分光光電比色法では1.0〜6.5g/dlの範囲でBeerの法則に従うが,この直線性は回折格子型比色計ではわずかに,また通常のフィルター使用の比色計では遙かに劣っている。
3)反応時間は8分で別に支障がない。
4)煮沸浴温度は厳密に調節しなければ大きな誤差の基となるので,正確な温度条件の工夫をするか,測定値の補正の要がある。
5)反応後の色調はあまり急激に減少しないが,加熱後直ちに流水で冷却し,30分以内に測定するのが望ましい。
6)多数の尿糖測定検体を扱う場合,Pavyらの方法に比し時間的に著しい能率化ができた。
(終りに臨み,GL管を分与下さった日本栄養化学K.K.に深甚の謝意を表す)
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