技術解説
光電比色計について
島尾 和男
1
1東京医科歯科大学教養部
pp.407-412
発行日 1960年7月15日
Published Date 1960/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905719
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I.まえがき
臨床化学検査の定量分析では,比色法による測定が数多く用いられる。そして比色法による測定といえば誰でも光電比色計による測定を考える。これは良い性能をもつた光電比色計が容易に購入できるようになつたためであつて,比色分析法が広範囲の測定に利用されるようになつたことは,光電比色計の進歩と改良によるといつてもいいすぎではない。デュボスクの比色計やプルフリツヒの比色計のような肉眼にたよる比色計しかないとしたら,気安く比色法によつて測定しようという気にはならないであろう。
比色法によつて信頼しうる測定結果をだすためには大きくわけてふたつの条件が必要である。第1の条件は測定すべき物質に対する適当な呈色反応があること,第2の条件はその呈色度を正確に測定することである。光電比色計の進歩によつて第2の条件がかなえられたために,いろいろな物質に対する第1の条件をみたす呈色法が考案工夫されるようになり,比色測定法が広く用いられるようになつたのである。
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