器械の使い方
光電比色計の選び方
斎藤 正行
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1東大生化学
pp.710-711
発行日 1965年5月10日
Published Date 1965/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200824
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光電比色計とは?
光電比色計とはある目的物質の呈色調を混在他呈色調から選別特異吸収し,さらにその目的物質の呈色波長の強さの減少を客観的,正確に指示する計測器械と定義づけられよう。ここに当然考えられる前提条件としては,第1に発色させるのに必要な化学分析基礎操作,第2に折角濃度差が正確に求められるのであるから,ピペットの正確な操作を初めとしての化学定量分析に習練していることがあげられる。したがつて単に光電比色計を一台購入してもそれら前提条件が満されてなければ本器は全く無用の長物で診療室の高価な飾り物と化してしまう。単に血液(清)や尿をそのままこの器械に入れてもほとんど何物もわれわれに語つてくれないのである。
ところが反面,化学定量分析に習練した人々にとつては本器は全く便利な存在で,大きな病院の化学検査室などでは全く奪い合いで1人の検査技師に1台はないと能率は非常に悪くなる。これは今日の血液成分の定量分析法のほとんどが測定操作の最後を本器による時代であるからである。
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