今月の主題 遺伝
技術解説
染色体検査
坂本 博三
1
,
古山 順一
1
1兵庫医科大学遣伝学
pp.1603-1612
発行日 1980年12月15日
Published Date 1980/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915670
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最近,小児科の分野では,新生児における染色体異常症をはじめとする先天異常症が注目を集めており,また腫瘍細胞では多彩な染色体異常が報告されている.慢性骨髄性白血病におけるフィラデルフィア染色体のように,診断に欠かせないものもある.染色体異常症では染色体検査は不可避であり,また染色体異常児を出産する可能性の高い母親を対象にした,羊水検査の需要も増大している.このような現況で各地の検査室で染色体検査が行われるようになってきている.しかし,検査室では臨床所見が十分に得られない情況下で,細かな染色体異常を同定することを要求される.それに対応すべく検査法も,分染法の進歩によりある程度対応できるが,それにはおのずと限界がある.
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