グラフ解説
新生児のための染色体分析法
古山 順一
1
,
喜多野 征夫
2
Junichi Furuyama
1
,
Yukio Kitano
2
1大阪大学医学部遺伝学教室
2大阪大学医学部皮膚科教室
pp.691-692
発行日 1966年9月10日
Published Date 1966/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203547
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自然流産をした胎児の約20%に染色体異常が見出されたとのCarr1)の報告に刺激されるまでもなく,新生児で染色体分析を行なう必要のある疾患が,かなり知られてきている。新生児の染色体を末梢血白血球を材料にしてしらべようとするとき,成人の場合と異なり,少量の血液で分析を行なわねばならぬという制限がつきまとう。
微量血液での染色体分析法は,いままでかなり報告されている。それらの方法は一般に行なわれているMoorhead2)等の方法を,末梢血から白血球を分離する段階で改良したり,全血培養のため培養液の組成を一部改めたりしたものであつて,採血量が少なければそれだけ分析の対象となる分裂中期染色体像を増加させるという考慮は払われていない。
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