今月の主題 放射線障害
放射線障害の臨床検査
染色体検査
高野 貴子
1
Takako TAKANO
1
1帝京大学医学部衛生学教室
キーワード:
染色体異常
,
染色体分析
,
培養
,
分染法
Keyword:
染色体異常
,
染色体分析
,
培養
,
分染法
pp.1093-1100
発行日 1992年10月15日
Published Date 1992/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901239
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染色体分析の実際の手技を簡単に述べた.放射線の影響を調べる場合には,末梢血リンパ球の2日間培養を行う.標本はそのまま無処理でギムザ染色する場合と,さまざまな分染法を行う場合があり,目的に応じて選択する.
染色体異常が検出された際には,国際規約ISCN(1985)に準じた記載を行う.判定はかなりの細胞を検査してはじめて下すことができる.
1Sv当たりの遺伝病のリスクが1988年の国連科学委員会報告に,また1rem (0.01Sv)当たりの遺伝病のリスクが1990年のBEIR第5報に掲載されているが,放射線障害と染色体異常,あるいは他の遺伝性疾患との関連を推定することはたいへん難しい.幾世代にもわたる地道なデータの蓄積がたいせつである.〔臨床検査36(10):1093-1100,1992〕
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