特集 遺伝子検査―診断とリスクファクター
2.解析技術
B.検査技術
c.染色体・ゲノムレベル
1) 染色体検査
松田 和之
1
,
日高 惠以子
1
Kazuyuki MATSUDA
1
,
Eiko HIDAKA
1
1信州大学医学部付属病院臨床検査部
キーワード:
染色体
,
G分染法
,
fluorescence in situ hybridization(FISH)
Keyword:
染色体
,
G分染法
,
fluorescence in situ hybridization(FISH)
pp.1319-1325
発行日 2007年11月30日
Published Date 2007/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101415
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染色体と染色体検査法
染色体は細胞周期の分裂期に,光学顕微鏡によりこん棒状に観察することができるDNAと蛋白質の複合体で,塩基性色素に染まる.ヒト体細胞の染色体は46本で,22対の常染色体(1番から22番染色体)と2個の性染色体(X,Y)からなっている.遺伝情報単位であるゲノムは,配偶子に含まれる23本の染色体のセット(ハプロイド)を指し,そこには3×109(30億)塩基対のDNA,約3万個の遺伝子が存在している.ヒトゲノムは直線上に伸ばすと約1mにもなり,分裂期の染色体では約1万倍も凝縮されて存在している.
ヒト染色体は,その形態と大きさからA群(1~3番),B群(4,5番),C群(6~12番,X),D群(13~15番),E群(16~18番),F群(19,20番),G群(21,22番,Y)の7グループに識別することが可能で,着糸点の位置から中部着糸型(1,3,16,19,20番),次中部着糸型(2,4~12,17,18,X),端部着糸型(13~15,21,22,Y)の3つのタイプに分類される.さらに,染色体を垂直方向に縞模様に染め分ける分染法を施すことにより,その特徴的なバンドパターンから個々の染色体を同定することができる.
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